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おみくじ生活





何はともあれ2020年の幕開けである。本年は一味違う一年にしたいと、一念発起して近所の神社・お寺を回り、おみくじを引いてみた。三か所を回って結果は吉・吉・吉である。示唆に富む内容で、なかなか良いことが書いてある。一言で言えば「これからどんどん良くなる。」であった。幸先の良いスタートではないか。ここで止めておけば良かったのに欲を出したのがいけなかったのか、調子に乗って次の神社で引いたのは「末吉」である。「叶うべきは叶うが、叶わないものは叶わない。努力せよ。」そりゃそうだ。

白黒ハッキリさせたいと思い川崎大師でおみくじを引くことにした。出掛けたのは1月4日の午後。ここが半端なく物凄く混んでいたのである。混乱を御するためのおまわりさんの詰所が、臨時のプレハブで境内に建てられている。配備されている警備員さんが笛をピーッと吹くと、それに合わせてゆるゆると前に進む。こうした大混雑の中でも列を乱さない善良な人々が多くいるのは日本人の美徳であろうと思うのだが。でも前(上)が進まないと(昇進しないと)自分も進めないというサラリーマン社会の縮図でもあろうなぁ。

相手は天下の川崎大師様である。「是非モ無シ」とばかりにおみくじを引くと、結果は凶である。印象的な内容は:

願い事:叶わず。 待ち人:来たらず。 探し物:出てこず。

長時間待たされた上に最後に引いたおみくじがコレ。あんまりではないか。くやしいのでネットでおみくじの背景を調べてみた。諸説あるが凶の配分は10%~15%らしい。ちなみに吉はもっとも多く、20%~30%。すると吾輩の本年の結果は、5回引いて吉・吉・吉・末吉・凶。まあ普通と言えば普通なのであろう。「何が普通なのか?」という突っ込みが来そうだが。

おみくじは歴史的には中国から本邦に入ってきて平安時代に定着した。室町幕府の6代将軍、足利 義教(あしかが よしのり)氏がおみくじによって選ばれ、「おみくじ将軍」と呼ばれたことは有名。神社の下におみくじを引いた結果は神仏の下知であると周囲を納得させるだけの権威があったのだろう。もっとも彼は後年、配下の守護、赤松満祐氏に宴会の場で謀殺されてしまう。「おみくじにあたらねば良かった。。」と彼が最後に言ったかどうかは定かではない。

おみくじの結果は、結局のところその人の受け取り方次第ではないか。大吉であっても気を緩めずに、そして大凶であれば気を引き締めてそれなりに努力をすれば結果は出るものだ。要は本人の解釈次第で、その結果を真の吉とするか凶とするかを決めることができるとも言える。

そうはいっても気になるのが人情であろう。いっそセレナーデ的に大吉しか出ない神社があったら大流行すると思うのだがどうか。どこかにそういった神社はないものか。知っている人がいたらこそっと教えてほしい。何はともあれこの文章を読んでいる貴殿の2020年のご健勝を祈念しております。心から! 

おみくじコーチ、大吉募集中。記憶の限り引いたことはない。

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