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宇宙ビジネスの未来

最終更新: 2020年9月7日


Tokyo English Forumは、大手電機メーカーにお勤めのNさんが長年主催してきた英語で時事問題について議論をする勉強会。小生が初めて参加させて頂いてから早くも30年にもなろう、大変歴史があるのだ。そのTokyo English Forumにて先日は「宇宙ビジネス」について話し合った。

「宇宙ビジネス」はこれまでNASAに代表される政府機関の独壇場であったのが、アマゾンのジェフ・ベゾス氏率いるブルー・オリジンやイーロン・マスク氏のスペースXに牽引された民間企業の台頭が著しい。これからの宇宙ビジネスの未来はどうか。そしてそこに日本はどう切り込むのか。

規模感的に言えば現在の宇宙ビジネスの市場規模は約40兆円だそうだ。これが2040年、今から20年後には100兆円に達しているのではないかと言われている。20年で約2.5倍程度。これは年間の平均成長率に換算すれば4%~5%で飛びぬけて魅力的な成長率とは言えない。しかしながら、宇宙を制する者は地球を制するだけの影響力があるのではないか。通信衛星や、GPS衛星、そして気象衛星の存在だけを考えてみても経済への影響は測り知れない。ましてや軍事目的の衛星などもきっとあるのだろう。

ここから先は小生の妄想であるが、未来の宇宙ビジネスを考えた時にどんな商いがあるのか。まずは何といっても宇宙旅行であろう。某起業家のM氏は月までの往復に100億円を支払うという。ちなみに現在のISSへの人の送迎は、有人ロケットがないUSはロシアに1名約86億円を支払っているそうだ。ISSへの距離と月への距離を比較した時に、100億円の往復チケットはそれほど高い買い物ではないのかもしれない。UKのバージン・アトランティック航空の子会社が提供する予定の宇宙旅行は、地球の周回軌道上に人を送り込み、そして着陸するというもので、これは約2000万円だそうだ。もっともバージン・グループはコロナの影響で経営破綻が噂されており、2020年年内の有人飛行は赤信号と推察されるが。

「いくらなら宇宙旅行に行きたいですか?」 という問いかけがあったとして、行間に隠れているのは「生命保険は効きませんが。」であろう。サンプル数が少なすぎて保険を売る会社は存在しないのではないか。「自分なら500万円くらいなら払ってもいい。地球は青かったと言ってみたい。」と希望を持つ人は、相当数いるのではないか。ロケットが再利用できたり、安全性が担保できるようになってくれば、小生が生きている間にそうした宇宙旅行ビジネスが本格化してくるかもしれない。

ジェフ・ベゾス氏やイーロン・マスク氏の野望は果てしない。ジェフ氏が宇宙を目指すのは、「遠い未来に地球が住めなくなった時のために1兆人の地球人の居住を可能にする、宇宙コロニーを建設する。」というのがその目的である。イーロン・マスク氏も同じような発想で、火星への移住を計画している。同期しているかは定かではないが、近い将来に人類が火星で住むことを想定し、ハワイ島の地下空間に火星で人類が住むであろう疑似環境施設を建設し、応募したボランティアの科学者メンバーを長期間生活させるというシミュレーション実験をNASAが行っている。

そこまで地球環境が悪化しないうちにこの地球の美しい自然を守り、育み、皆が仲良く暮らしていける社会の仕組みを作り出すことが先決なのではないか。仮にそうした未来の宇宙施設に行ける時代が来るにしたって、そこに行ける人々は一部の特権階級か、金持ちか、身体能力に優れているか、知能指数がとても高い人たちに限られるに違いない。どのカテゴリーにも属さない小生(ら)は、指をくわえて地上から見ていることになるのだろう。宇宙ビジネスは素晴らしい未来の希望を我々にもたらしてくれるであろうとともに、恐らくは逆方向に働くリスクも、そしてそのリスクを回避するために蠢(うごめ)いている計画も、いろいろと交錯しているように思えてくる。


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