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塞翁が馬




悪友とネット同窓会をした。五十路男の集まりである。そのうちの一人は現在南米のコロンビアで仕事をしている。時差の違いもあり始めたのは午後10時過ぎ。彼の地では午前8時である。こんなコロナの状況でもなければこの時期に顔を合わせることもなかったろう。「元気そうだな。」「まあなんとかやっているよ。」「お前もすっかりオヤジになったな。」「それは皆同じだろう。」とそんな会話のキャッチボールがひとしきり続いた。

コロンビアのコロナの感染者は現在3000人くらいとのことだが、「街は外出禁止令が3月中旬から出ていて、不要不急で外にいると逮捕されてしまうのだよ。」「食料品店に買い物に行くのも、家族の代表者が1人で行くことになっていて、偶数日が女性、奇数日が男性と交代で行くことになっているのだ。」とかなり日本よりも厳正に行っている様子。幸運なことに今のところ爆発的な感染増には至っていないらしい。

「日本に一時帰国でも戻れないのか?」の問いかけには「まず国際便がすべてストップしているので当面は無理だろう。」とのこと。詳しくは(恐ろしくて)聞けなかったが、もし病気になったら病院で看てもらえるのかも怪しいのではなかろうか。今この時に海外で家族を持って仕事をしている皆さんは、実に大変なリスクと戦いながら日々過ごされている事であろう。悪友とそのご家族の皆さんのご健勝を祈るばかりである。

ネット同窓会に使用したのはZoomである。安定して画像と音声のやり取りができる。こうした遠距離のやり取りをスムーズに体感できている人たちは、今のコロナ感染状況下で増々増加しているだろう。この利便性に慣れた社会は、これからきっと不要不急な遠距離の移動は省く社会になるのではないか。思いつくのは遠距離通勤などである。このコロナの影響によりリモートワークを余儀なくされ、仕事部屋、あるいは徒歩圏内にサテライトオフィスを準備できればわざわざ毎日会社のオフィスへ通う必要はないと体感している諸兄も多かろう。

むしろ物価が安く、自然豊かな郊外・地方に住みながら都心の会社で働く、という構図も思い浮かぶ。そうした意味においてはこのコロナが世界の行く末を変える原動力にはなるのではないかとも思われるのである。そういえば昔の同僚で逗子方面、湘南方面に住んでいて美しいビーチを週末では楽しみつつも、平日は都心に通い長距離通勤を辟易している知り合いもいたなぁ。通勤に往復4時間弱かけてもそうした生活をする価値があるのだろうかと思っていたが、今はきっと幸せな日々を過ごしている事だろう。

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